荒井憲徳物語 vol.004

「明日の朝までに山のような洗濯物を洗って乾かしてたたんでこい」と先輩の雑用に追われる日々・・

そんな厳しい環境のせいか、40人以上いた私の同期達は、ひとりひとり減っていき
とうとう40人以上いた一年生が最終的には13人となってしまいました。
それまで両親に心配をかけまいと我慢していましたが、さすがに絶え切れず、遂に寮を飛び出し家に帰ってしまった。

「俺は柔道をしにきた!!これでは強くなれない!!」

親にも寮生活での事情を話し、説得をしていた頃、監督から「戻ってこい」と電話がありました。
しかし、私の決意は固く、監督も遂に観念してこう言いました「退部をするにも手続きが必要だから一度学校へ来い。」そして親と手続きをしに学校へ行きました。
すると私を待っていたのは土下座で迎えた先輩でした。
柔道に対する私の失望感を察した監督が先輩を指導してくれたのでしょう。

そんな監督の優しさに報いるためにも私は柔道に打ち込みました。来る日も来る日も。ただひたすら柔道が強くなるために。
そして、私は県大会団体のレギュラーとして5連覇を成し遂げました。

私の人生の中でも、最も辛かった時期。今でも壁に当たったとき、あの時の辛さと監督の
後ろ姿を思い出します。
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